今話題の“おくりびと”のDVDをみました。
レンタルビデオ屋さんに行くといつも貸し出し中だったのですが、たまたまあいていたのですかさず借り、細切れの時間で観ました。
「納棺師」という職業を誤解していました。葬儀屋さんの中に含まれる(葬儀屋さんがかねる)ポジションと思っていましたが、それで単独の職業(職場)なのですね。勉強になりました。
印象的だったのは、時間に遅れて、「死体で飯を食ってるんだろう」といわれながら怒られたましたが、仕事を終えて帰る時には「ひどいことを言ってすまなかった、感謝している」と一変したご主人の態度でした。納棺師の御遺体に対する丁寧な振る舞いや、畏敬の念などが家族に伝わり、そういう気持ちにさせたのだと感心しました。
わたしにもそれに似たことがありした。
ちょうどこのDVDをみていた最中ですが、半年前食道癌の手術し、その後肝門部胆管癌を併発し、胆道ドレナージをおこなっていた患者さんが、胆管炎をおこし、心室細動(心臓発作)を起こして急変され、その日に亡くなられたのです。
74歳という年齢で、糖尿病があり、食道癌手術という侵襲がかかる手術をしたのち、再発のため放射線+抗がん剤治療をしたのち、肝門部胆管癌で黄疸をきたし、ドレナージにて減黄を図っている最中での出来事でした。これだけのことをして、なおかつ、坦癌状態でありましたので、心臓発作を誘発し、予備力がなかったのだと思いますが、家族にしてみれば事態は急変し、受け入れができない状態であるはずです。
状況を説明し、救命処置の最中、「非常に厳しい」と説明しますが、「もっとなんとかできたのではないか」と受け入れがなかなかできない状況であったようです。
私としても、こんな事態になるとは想定できなかったため、懸命に処置を行いながら、わかってもらえるよう時間をかけ説明するしかないわけです。
結局、何とか受け入れていただけたのではないかと思いますが、お見送りの時、それまでの治療や態度のおかげか「一生懸命に治療してくださりありがとうございました」と私や病院スタッフに言っていただけました。
このとき「おくりびと」のシーンが重なったのですが、やはり患者さん(御遺体)にいかに誠実に対処できるか、いかなる状況でもそういう振る舞いを行うべきであり、それが患者家族の心象に大きく影響するものであることを改めて感じました。当然のことなのですが、忙しさにかまけるとついついおろそかになってしまいがちなことなのです。
最近のコメント