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お気に入りの本

  • 畑村 洋太郎: 失敗学のすすめ

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2013年1月

栄養療法の難しさ

栄養科でNST(Nutrition support team)を率いて活動しています。

週1回病院内の栄養に問題のある患者さんのところにチームを組んで回診をします。医師、栄養士、看護師、薬剤師で構成され、それぞれの職種を超えて患者状態をサポートすべく、いろいろなアドバイスを行います。

以前にも話題にしましたが、医師はこの「栄養学」というものを専門的に大学で学びません。また、これまであまり重要視されていませんでしたので、もっぱら栄養士や看護師にまかせっきりで、言われた通りに指示を出したりしていました。よって、知識が乏しく、あまり熱心に携わるとこはあまりありませんでした。

しかしながら近年この「栄養学」がとても注目されるようになってきました。栄養状態を改善することにより、術後の経過や治療に反映され、入院期間が短縮され、医療費がかからなくなるという利点があるからです。

いろいろ合併症を引き起こしたり、術後の経過が思わしくなかったりというのは医療側の要因だけではなく、患者側の要因も多大にあり、それを正すことによりより治療効果を高めようという狙いがあります。しかしながら、その栄養状態を上げ、免疫力を上げるという活動はなかなか目に見えて効果の表れることではありません。

栄養価の高い食事を勧めても摂取量が増えなかったり、量ははいっても吸収が悪かったり、やったことが実際どう反映されいるのか目に見えなかったりと、なかなか難しいものです。

大規模なランダム化した前向き試験などを行って、栄養療法の効果がぽつぽつと報告されています。そんなデーターをみてあーだこーだしながら摂取できる栄養剤やその手段を模索していく。栄養状態の悪い実際の患者さんにその選択肢はあまりなく、その少ない選択肢の中から選択しないといけない。やってみると大変なことがほとんどを占めます。

それでもほとんど弱って食べれなかった患者さんが食べれるようになりみるみるうちに元気になっていく、そうした患者さんが少ないながらもいてくれることがNST活動をしていく励みになります。

タブレット端末が最近ちょっと気になる

東京出張でもよく電車や学会場でタブレット端末を使っている人をよく見かけました。

最近、タブレット端末はこぞって安価で性能がいいものが目白押しです。ドコモも1万円以下のタブレット販売を発表しています。

タブレット端末については、あまり必要性を感じていませんでした。こんな田舎では移動手段は自家用車で、通勤も歩いて5分。職場、自宅にはパソコンがありますから、わざわざタブレットを購入する必要性はないわけです。

本も、電子書籍はどうも馴染めそうにありません。やっぱり風呂場やいろんなところに持ち歩いてボロボロにしながら読んでいくのが自分にあっているようです。タブレットだと壊しそうで持ち歩くのに怖いです。

ただこれだけ安いと、一台くらい購入してもいいかなという気になります。Wi-Fi環境も広がっていますし.....。

ネットに費やす時間は極力減らしたいのですが、こうしたものを購入すると余計増えそうで、「欲しいけど、毒だ」、とジレンマに陥っています。ただ単にタブレットを操作する自分の姿に酔っているだけになりそうです。

出張の時リアル書店をはしごするわけ

東京に日帰り出張(日本消化管学会出席のため)してきました。

都会に出張に行った時は必ず大型書店を2、3軒はしごをします。地元の書店ではない本がたくさんあり、また店頭にはずらっと注目の新作が並んでおり、今の旬が一目瞭然です。

最近はアマゾンや楽天など、ネットでほしい本を購入できますが、本を購入するポイントとして、著者や話題性もありますが、実際手にとってぱらぱらとみることもとても重要です。そう言った意味でネット書店は購入したあとにがっかりさせられることもあります。

大型店では話題の本が目につくところに山積みされており、その周辺には関連した本もたくさん、また、各種コーナーが充実しているため、いろんなコーナーに行くとそれだけで時間がたつのも忘れるくらいくらい熱中してしまいます。

書店によっても、本の配置にとても個性があり、新しい本のみならず、それに関連して古い本もクローズアップされます。店員の腕の見せどころです。また、その本の魅力が店員さんの手書きで書かれていたり、作者のサインが置いてあったり、そんなことがたくさんされているのも都会の大型店の魅力です。

今から東京です

日本消化管学会出席のため、今から東京へ行きます。

今回は発表なしの出席稼ぎです。認定医更新のためです。

そんなわけで目的の教育集会に出てとんぼ返りします。

人間の弱さ

いま、「スタンフォードの自分を変える教室」を読んでいますが、世界的ベストセラーになっているようです。ダイエットできなかったり、飲酒が止めれなかったり、禁煙できなかったりといった行動に対し、どうふるまえばいいのかという講演をもとにしての本です。

この本が売れるのは、いろいろ皆さん悩みがあるのでしょう。そんな自分に嫌気がさし、やけになってしまうと、ダイエットでリバウンドしたり、余計ドツボになったりとよくありません。そんなときは「人間なんだからしょうがない」と自分を許すことが大切と心理学の立場から主張しています。
ただ、ダイエットの本や悪い習慣を断ち切る本が多数出ており、今までのスタディをもとにして理論的に書いてはいるものの、この本もそれらの本とあまり内容がたがわないような気がします。次から次にこんな本が出てベストセラーになるんですから、世の中にはたくさんの「弱い人間」がいて、悩んでいるんだろうなあと考えると自分も一緒なんだと逆に勇気が出てきます。
タバコをやめれない医師、患者にやめるようにいうのもそんな人間の弱さを物語っているような気がします。
ちなみに私は10年前にタバコをやめました。おかげで鎖から解き放たれたようです。

医療器具の進歩

医療器具の進歩には目覚ましいものがあります。

先日学会で、腹腔鏡下直腸切除のランチョンセミナーを聴いたとき、講演の先生が、「○○社の腹腔鏡システムとスコープをぜひ使ってみてください」と宣伝されていました。

ぜひ使ってみたいと思い、先日当院で行った腹腔鏡下胃部分切除に○○社のデモ器を借りて使ってみたところ、驚くほどの画質と操作性でびっくりしてしまいました。

これはぜひとも購入しなければという思いに駆られました。

医療器具は日進月歩開発がすすめられ、めまぐるしく新しくなっていきます。さながら自動車やパソコンなどの進歩のようです。しかしながら「高い!」

一千万を超えるものが大半のため、病院に申請をして購入してもらう必要があります。

そのためには「機種選定委員会」なるものなどを経てうまくいけば1年くらいして購入となるのですが、そのころにはまた新しくもっといいものが発売されていたりします。

もちろん道具に頼らず腕を磨くのは大事なのですが、ある程度全国的なスタンダードな器具を使わないと、学会等でもものが言えません。

そのためには絶えずアンテナを張り巡らす必要があります。即座に情報をつかみ、それを検証する、よかったら購入の手続きをとる、地方にいるからという負の理由は今の時代ありません。

文章の力

朝日新聞の文化の欄「芥川賞・直木賞に決まって」というタイトルで、今回「何者」で直木賞を受賞した朝井リョウ氏のコメントを読みました。

小学校の時から、先生に日記を読んでもらい、その返事をもらうことを楽しみにし、そのコメントに「日記というより小説を読んでいるみたいです」と赤ペンでコメントを書かれ、それをエンジンに原稿用紙100枚の小説を書いたというエピソードがありました。その経験が直木賞につながったのだと。

私自身、文章を書くことはとても苦手でした。医学部の受験でも小論文があるところはパス。

もともと本もあまり読んでおらず、学科で国語は飛びぬけて成績が悪かったからです。

こうしてブログを書き,何とか文章を書くことを続けていますが、アウトプットすることはインプットを増やさないとできませんし、きついながらも続けていくことに意味があるような気がします。

前に書いたブログの内容を見返し、「このころはこんな風に考えていたんだ」とか、私のブログに対するコメントへの返事を読んだりするとちょっと気恥ずかしい気もしますが、私なりの文章の力を信じ、今後も続けていきたいと思います。

悶々とする日々

昨年末、教授面接があり、「異動」をほぼ確実化されたことを言われました。しかしながら待てど暮らせど一向に連絡がありません。

昨年も同様なことを言われ、結局は残留でした。今回も同様なことになる可能性は高いのですが、そうならそうと「異動」なんかを言わなければいいのに、言われた本人はいろいろ覚悟しているものなのです。

長年いた職場を動くということは、かなり精神的にも労力がいります。しかしながら、ずっとその場にい続けることも、「ゆで蛙(長いあいだぬるま湯に浸かっているとゆで上がるのに気付かない)」になってしまうのではとおそれがあります。

自分がスキルアップするためには、なれて楽な立場にいるよりも異動することにより、きつい思いをし、自分自身のちからのなさを認識しなければ、成長がありません。

異動でもそうでなくてもどちらにしても早くはっきりさせて欲しいものです。気持ちが落ち着きません。

抗凝固剤と外科治療

最近は、抗凝固剤を服用している高齢者が多くなってきました。心筋梗塞、脳梗塞の治療既往がある方です。

最近は心臓カテーテル検査で延命に寄与している反面、これにより抗凝固剤をやめられないという患者さんが多くなっています。緊急手術でも、これを休薬し、凝固能を正常化するまで待てませんので出血のリスクを負ったままの手術ということになります。

そんな中、手術に向かうのはかなりのストレスになります。いつも以上に止血に丹念になりますし、手術時間ものびます。あとでドレーンや創からけつえきがじわじわといった事態もあり、術後も予断を許しません。

しかしながらそんなことを繰り返しても出血が止まらなくて困ったということはほとんどありません。むしろいつも以上に丁寧にしますので、あまり術後のトラブルがないことが多いです。

抗凝固剤内服中の患者さんの場合、手術や観血的な処置など気が重いですが、「丁寧を心がけるよう」という戒めをしてもらっていると考えると、なんとか乗り切ってやろうという気にもなります。

蕁麻疹に悩まされています

ここ1週間ほど突発的に背中や肩、腹部、内モモに掻痒出現し、膨疹を形成します。いわゆる「蕁麻疹(じんましん)」です。早速皮膚科の先生に病状を説明し、処方してもらいました。

夜寝れないのももちろんですが、手術や処置をしているとき突然背中が痒くなるのは業務に差し支えます。ステロイド入の軟膏を塗ったりしますが、突発的に起こるためその度に持ち歩いて塗るわけにも行きません。

抗アレルギー剤を飲んでどうやらおさまったようです。さすがにピタッと止まりました。

かゆみというのは、患者さんにとってはとても苦痛ですが、医師側からするとあまり重大視しないのが常です。黄疸や血液透析に伴う掻痒症はなかなか改善が難しく、投薬してもあまり効果がないことも多いです。また、高齢者による白癬症もつい皮膚科のコンサルトが出来る時まで経過観察してしまいがちです。

かゆみに対しもっと瞬時に対応することを痛感しました。我が身を持って知るとは恥ずかしい限りです。

ジャパニーズスタンダード>グローバルスタンダード

世界市場に目を向けた戦略を立てるという「グローバルスタンダード」が盛んに叫ばれています。とくに経済界ではTTPに参加することによって、世界市場に日本製品を積極的に参入することにより、経済の活性化を促すことが主張されています。

企業ではユニクロや楽天など英語を公用語にすることによりグローバルに活躍できる人材を育成しています。

そのため、日本製品がガラパゴス化といわれ、携帯電話などネガティブにとらえられることが多いです。しかしながらこのガラパゴス化したものが、本当に日本にしか通用しない駄目なものなのか?そんなことはないと思います。ガラパゴスといえば聞こえが悪いですが、日本で生み出されたオリジナリティの高い、日本で普及したものが世界じゅうにもてはやされることはよくあることです。例えば日本のアニメや電化製品など世界の人が憧れをもってみられることもたくさんあります。

医学界でも日本で生み出されたESD(Endoscopic submucosal dissection:内視鏡的粘膜下層剥離術)や海外で生まれ日本で発展した腹腔鏡下手術などは、エキスパートが海外に出向き、日本での素晴らしい技術を世界の医学者に広めようとがんばっておられます。

日本人の緻密さは、電気機器のみならず医学技術も充分にトップクラスです。グローバルを叫ぶのも結構ですが、日本独自の「ガラパゴス」を磨き、それを世界に発信することも充分に価値のある素晴らしいことだと思います。

ノロウイルス感染症について

年が明けました。皆様あけましておめでとうございます。

さて、年末から私の病院にもノロウイルス感染者が何人か入院してまいりました。

全国各地でノロウイルス感染者の死亡が報道されています。もちろん、お亡くなりになられた感染者の方々はお気の毒だと思いますが、ノロウイルスは基本的にそれ自体では死亡に至りません。患者さんの持っている基礎的体力、併存疾患、続発症が原因で悪化や最悪の場合に死に至ります。

今までもそうですが、感染症についての報道のあり方について疑問に思うことがあります。

それは病院側での対策が不十分ではなかったかなど、犯人探しに視点が向けられ、いかにもその病院が悪いようなことを書く報道機関が多いということです。

もちろん、感染者に対し、十分な治療や他に感染を広げない努力はすべきだとは思いますが、それをきちんとしても、その患者さんの持っている併存疾患や体力が死亡につながります。そのため、よそで感染した患者が入院し、亡くなられる場合、病院側に責任があるとは言えません。

もちろん対策を講じずに院内で明らかに感染が拡大した場合や下痢嘔吐に対して輸液をしなかった場合は責任が問われると思いますが、それ以外は少なくとも病院名の公表などには慎重にすべきだと思います。

特に個人病院の場合、経営に著しく悪影響を受けることは必至です。そのためノロウイルスが判明するとすぐに公的病院に転院依頼する個人病院もあるようです。

ノロウイルスに関してはその対策や病気の特徴(潜伏期間、感染経路)など広く世間に知ってもらえれば怖くない病気です。私も恥ずかしながら、ノロウイルスの患者さんを受け持って初めて知りました。

88歳ご高齢で寝たきりの方でしたが、ノロ感染は1週間ほどですぐよくなりました。

情報の伝達、これにより一般の方々に病気を周知させる、これがまず報道で広く行われるべきです。

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