先日、久しぶりの手術を執刀いたしました。
普段われわれ外科医が「PD」といっているもので、正式には「膵頭十二指腸切除術」といいます。膵頭部癌、下部胆管癌、乳頭癌、十二指腸癌などが適応となる手術術式で、先日行った「食道亜全摘術」に匹敵する外科手術のなかでも1,2を争う大きな手術となります。
この手術は、予定してても周囲の重要な血管に浸潤していたり、播種があったりと、開腹してみて「手術不可」となることも多く、なかなか手術があたらないことが多いです。
手術自体も、膵臓、胆管、胆嚢、胃1/2、十二指腸、空腸を切除し、胃、膵臓、胆管と吻合を行わないといけない複雑なもので、時間もかかり、合併症も多い手術です。
先日行った患者さんは下部胆管癌の患者さんで、転移もなく、周囲の血管(門脈や肝動脈など)にも浸潤がなかったため、何とか切除可能で、再建も比較的スムーズに行きました。術後経過も比較的良好で、今のところうまくいっているようです。
「PD」は外科医になりたてのころから、遠いかなたにある術式で、大学にいるときは教授、一般病院でも部長クラスしか執刀できないものでありました。
この年になって数例させてもらいましたが、あのころ遠いかなたにあった手術を自分で執刀させてもらっていると何か感慨深いものがあります。もうそんな年になったのかと...。
昨日講演会で「腹腔鏡下胃切除、食道切除」の講演がありました。ビデオを見せられ、「外科医としてまだまだやるべきことがたくさんあるのか」と感じ、先日PDを執刀したことなんて吹き飛んでしまいました。
次々と新しい術式が出てこれが当たり前になってくると、さらにギアチェンジをして、これを習得すべく努力しないといけなくなります。
「外科医の道は険しい....」、さらに外科医志望者が少なくなり、後に続くものがいないとなるとますますわれわれはつらいものがあります。
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